自立支援・長期療養サポートサービス

弊社が考える何よりも重要なことは、対象者(患者さん本人)が「社会とのつながり」をもち、なおかつそれを「維持すること」です。「社会とのつながり」といえば、世間では「就労」がおもなゴールと見なされ、それを望むご家族も少なくありません。しかし時代は代わり、今では障害の有無にかかわらず安定した就労そのものが難しくなっています。

 

弊社もこれまでにたくさんの方々に携わってきましたが、一時的に就労が叶ったとしても、様々な事情から再び崩れてしまうこともあります。これは精神科病院を退院し、 就労継続支援施設B型(B型作業所)に通えるようになったケースでも同様です。大切なことは、状態が悪くなった時の受け皿があり、再スタートのための多様な選択肢が用意されていることです。

 

従来は「家族」や「親族」がその受け皿になっていましたが、昨今は血縁のつながり自体が薄くなっています。さらに、問題が長期化・複雑化した家族の背景には、少なからず“家庭環境”の問題があります。その内容は、幼少期からの不適切な養育、歪んだ親子関係(共依存)、病気への理解の欠如などさまざまですが、対象者(本人)が精神科での治療や自立を拒否する要因にもなっています。

 

弊社の「自立支援・長期療養サポートサービス」は、基本的に精神科病院での入院治療を基盤とし、まずは病院という安心できる場所で心身の回復に努めてもらいます。その間に、面会を通じて対話を繰り返し、家族関係の見直しや、退院後の環境について検討していきます。その間には、公的機関や医療機関、公民問わず地域にある資源(訪問看護、グループホームや作業所等)とも連携を図り、対象者のための受け皿づくりをすることで、家族に代わって長期に亘り本人をサポートできる体制を構築します。

 

相談例

 

  • 行政機関など専門家に相談してはいるが、相手にしてもらえない
  • 精神科病院への通院・入院歴はあるが、トラブルが絶えない
  • すでに家族関係が崩壊しており、本人をサポートできる受け皿がない
  • 親子共依存など、家族関係を見直す必要がある
  • 親は高齢化し(本人の)きょうだいとも疎遠のため、家族代わりの存在が必要

 

精神科病院を起点とした、人間関係づくり

「精神保健福祉分野の現状」でもお伝えしているように、現在の精神科医療、精神保健福祉行政においては、対象者が、専門機関や専門家にとって受け入れやすい「規格」に順じていることが必要とされています。それはたとえば「病識がある」「問題行動を起こさない」「コミュニケーションがとれる」などです。言い方を変えれば「優秀な患者さん」しか受け入れてもらえない現実があります。

 

そこで弊社の長期サポートでは、対象者と弊社スタッフが人間関係を作り、コミュニケーションを重ねることで、「病識を持って治療に取り組んでもらう」ことからスタートします。人間関係ができれば、仮に病院や施設で問題が起きたとしても、その都度、本人と話し合い解決策を模索することができます。つまり「社会とのつながり」を維持することができるのです。

 

もっとも対象者の多くが、これまで家族以外の人との関わりを拒絶して生きてきていますから、言葉で言うほど簡単なことではなく、そのため(病状にもよりますが)、精神科病院での入院治療が起点となります。本人にとっては、主治医や病院職員との信頼関係の構築、他の患者さんとトラブルを起こさずに日々を重ねることなどが課題となります。そこで弊社では、定期的な面会を通じて、治療の必要性や第三者との関係構築の重要性を本人が理解し、受け入れられるよう、対話を通じてサポートをしていきます。

 

また、院内でトラブルを起こした際の対応や、退院後に自宅に戻ることが難しく、グループホームへの入所が最善と考えられる際のコーディネート、および本人への説明や説得も行っています。

障害者総合支援法による福祉サービスの申請・手続きサポート

入院治療中および退院後に、障害者総合支援法による各種福祉サービスを受けられるようにするには、その都度、申請や手続きが必要になります。ところが制度の煩雑さから、手続きをスムースに進められない対象者(及び家族)も少なくありません。そのような方のために、申請や手続きをサポートする業務です。

 

また、家庭の事情により、相続の問題や、成年後見制度利用についての相談を希望される方には、弁護士等のご紹介もいたしております。

退院後の環境調整および継続的な見守り

退院後の環境をどのように整えるかは、対象者と家族の今後の人生を考えるにあたり、非常に重要です。

 

本人は「もう家族に迷惑をかけることはしないので、実家に戻りたい」と主張することが多いですが、家族には受け入れるだけの余裕がありません。「一人暮らし」という選択肢もないわけではありませんが、規則正しい生活や服薬、定期的な通院などを考えると、まずは、サポート体制の整ったグループホーム等への入居が現実的と言えます。

 

ただしグループホームに入居できても、職員や他の入居者とトラブルを起こしたり、ルールを破ったりすることがあれば退去を促されます。とくだんのトラブルがなくても、本人が規則のある生活や作業所への通所など単調な毎日を嫌がり、退去を申し出ることもあります。

 

弊社ではそのようなトラブル時こそ、本人に現実を認識してもらう貴重な機会と捉え、グループホーム職員の方々とも連携を図りながら、解決策を見出します。病状の悪化があれば再入院の検討や、事件レベルのトラブルに関しては警察に介入してもらうなど、現実を見据えた対応をとっていきます。

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